ワイナリー巡り その2

前回からの続きです。

 

さて、先のKumeuで2件、次はWaihekeにあるワイナリーを1件。Waihekeは、気候風土が地中海に似ているのでしょう、ワインも特に赤ワインがよく造られています。また、そこここでオリーブの栽培も盛んです。

  

 

そんななか、ご夫婦で経営されている小さなワイナリーへミーティングに行って参りました。ここは、オーガニック栽培によるブドウでのワイン造りを行なっています。おじゃましたときは、ちょうど赤ワイン、シラーの仕込み中でした。仕込み中の匂いは、ワインになってから嗅ぐものとは違って、フレッシュで素直ないい匂い。ワイン造りをしていると、完成したワインだけではなく、その過程で出てくる様々な匂いも楽しめるんですね。一生懸命嗅ぎ溜めをしておきました(笑) 写真は、収穫後、潰したワインをステンレス槽に入れて発酵させているところです。この時の面倒見がとても大事で、この日もこうして、旦那さんが温度と時間を見ては、適宜、自分の手でかき混ぜていました。私は、オーガニック栽培に固執もしませんし、昔ながらのやり方だけを盲信もしません。ただ、ここのワイナリーのように、オーガニック栽培や全て自分の目の届く範囲でワイン醸造を完結するには、それ相応の労力とワインへの愛情が必要となります。それだけ、手間を掛けられたワインは、オーガニック栽培のブドウ使用であれそうでなかれ、昔ながらの製法か近代オートメーション化された製法かの違いによらず、素晴らしいものにならざるをえないのではないかと思っています。

 

ここのワイナリーでは、ソービニヨン・ブランのみ、ブドウを買い付けて醸造し、その他の品種は全て、自畑のブドウからのみ醸造しているそうです。そんななか、輸出に対応している品種、ソービニヨン・ブラン、シャルドネ、メルロー、ピノ・ノワールを試飲。特にシャルドネは、オーキーでイースト臭豊かな力強いキャラクターで、フルボディ・シャルドネファンには満足してもらえるできだと思います。

 

さて、そんなワイナリー巡りでした。楽しいワインを持っていけるように現在も調整中です。お楽しみに。

ワイナリー巡り その1

ワイナリー巡りという程でもないですが、今週末は、3件のワイナリーへ足を運び、お話をしてきました。時期的に収穫時期、あるいは収穫後の仕込みで忙しい時でしたが、打ち合わせの時間を割いて頂きました。今回、足を運んだのはKumeuとWaihekeのワイナリーです。

 

Kumeu一軒目は、Kumeuエリアで一番小さいワイナリー。ここはすべての製品を自分のところのブドウ畑のブドウのみで作っています。こう書くと、何を当たり前なと思う方も中に入るかもしれませんが(かくいう自分も昔はそういうものだと思ってました)、自分のブドウ畑(vineyard)のブドウだけでワインを作っているところは、思いのほか少ないのです。特に、規模が大きくなると、生産するワインの量が増えるので、ブドウ生産だけをしているところからブドウを買い付けて、自分のところで醸造するということが多くなります。また、ブドウの味はブドウ品種の他に、産地(特に気候)に大きく左右されます。それ故に、北にあるワイナリーで南方での栽培に向くブドウを使ってワインを作りたい場合、ブドウだけを買い付けて自分のワイナリーで醸造するというケースもあります。具体的には、ニュージーランドのシグネチャーとも云えるソービニヨン・ブランはMarlborugh(マールボロー地方)が有名で、ここで育ったソービニヨン・ブランはGrassyな(草っぽい)風味で、今やニュージーランドのソービニヨン・ブランといえば、このGrassyなソービニヨン・ブランと思われてるのですが、それ故に(その、世界の期待に沿うべく=そのキャラクターを外すとがっかりされてしまうので)、多くのワイナリーではソービニヨン・ブランは、自畑のものではなく、Marlborough産のものを買い付けて生産しているケースが多いのです。少し話がそれてしまいましたが、そんな一軒目のワイナリーは、自畑のブドウのみで年間2000ケースしか生産をしていません。今回は、特にここのレイトハーベストのワイン(デザートワイン)が気になっていたのですが、残念ながら、レギュラーに作っているものではないとのこと。

   

 

 

Kumeu二軒目は、多分Kumeuでは最も奥地にあるワイナリー。こちらは、ミーティングと云うよりは、テイスティングがメインでした。すごく感じのよいテイスティングルームをオープンしており、また、アテンドしてくれた方も大変気持ちのよい方で(お話好きで 笑)思わず長く話し込みながら、リストの殆どを試飲させて頂きました。特に、シャルドネ、ゲベルツトラミナー、ピノ・グリがよかったですが、その他もどれも美味しく、ワイン造りの腕の良さが伺えました。

  

 

と、長くなりましたので、ひとまずここまでで。。。

 

ワイナリーの新旧

ニュージーランド(あるいは、西洋文化圏)では、ワイナリー経営というのはひとつの象徴でもあるようです。例えば、リタイアした夫婦のあこがれの第二の人生であったり。ワイナリーの規模、運営理念や温度(雰囲気と云いましょうか)の多様さは、日本酒の酒蔵と同じだと思います。日本酒づくりにおいても、例えば、いわゆる大企業もあれば、ローカルの小さな酒蔵もあるし、歴史の長いところもあれば、一念発起で始めてまだ歴史の浅いところもあるでしょう。ローカルに売り切ればそれでよしとするところもあれば、海外進出を視野に入れているところなど、やはり様々です。

 

そうした中、良し悪しではなく、リタイア後の趣味としてのワイナリー経営をしているところは、趣味な分、ガツガツしたところがないからか、経営がうまく行かず、維持が困難になり、廃業・売却というケースもあるようです。

 

ここのところ、ワイナリーを調べていたら、「残念ながら閉店しました・売却しました」という事実に行き着いたワイナリーがいくつかあったので、閑話休題的に。